George Cleverley ロシアンカーフ 三つ折り財布のレビュー

さて、この記事では素材軸でご紹介したく、靴ではありませんがお財布をご紹介したいと思います。

こちら、ジョージ・クレバリーのオリジナルロシアンカーフ製 三つ折り財布です。

他に類を見ない、魅力とロマン溢れる素材です。

①幻の素材、ロシアンカーフとは?

このロシアンカーフとは1700年代に帝政ロシアにおいて生産されていた、トナカイや牛の原皮を用いた革です。

当時ロシアの重要な輸出品として西欧諸国に輸出されていた高級革です。

その後のロシア革命の混迷期にその製法は失伝したと言われており、幻の革となっています。

ロシアンカーフは白樺(バーチ)のオイルをその製造工程の中で用いていることで独特な芳香を醸しており、しっとりとしなやかな肌触りとなっています。またこのバーチオイルには防虫効果もあるそうです。

表面には特徴的なダイヤ柄のクロスハッチ(網目)模様が型押しされています。

使い込んでいくと良い艶感が出てきます。

有名な話ですが1786年にデンマーク船籍のキャサリナ・ボン・フレンズバーグ号が帝政ロシアのサンクトペテルブルクからイタリアのジェノヴァに向けて出航した後、荒天に見舞われイギリス近海にて沈没してしまいました。

それからおよそ200年後の1973年にこの船が海底に沈没していることが確認され、当時の歴史を知るための積載品サルベージの折にその船内から大量のロシアンカーフが発見されました。

海中から引き揚げたものに塩抜きや乾燥などの再処理を施し、蘇ったものがいま流通しているロシアンカーフです。

いまも海中には大量のロシアンカーフが眠っているそうですが、ダイバーの高齢化など今後のサルベージには暗雲が漂っているようです。

このサルベージしたダイバーが知り合いの革屋で復活させ、この革屋が一番に話を持って行ったのがジョージ・クレバリーであり、この革の魅力に気付き独占契約を結んだそうです。

沈没した年、1786が刻印されています。

ジョージ・クレバリーといえば靴のイメージですが、殊ロシアンカーフについては靴だけでなく、こちらのようなお財布やベルト、キーホルダーなど様々なアイテムを展開しております。

②唯一無二の素材感。

この三つ折り財布には小銭入れがないのでコードバンの馬蹄小銭入れと共に。

本来のロシアンカーフはその製法のおかげで強靭且つ水にも強い素材だったようですが、沈没船から引き揚げて復活したものは長年海中に沈んでいたこともあり、かなりナイーブな素材となっています。

しかし独特な芳香は残っており、なんとも言えないしっとりとした肌触りが魅力的な革です。

悠久の時を経てしか出せない色合い、表情を醸しており、所有欲を満たしてくれる素材ではないでしょうか。

オススメです。